入り口では亜炭を運んだトロッコがお出迎え。受付ではブラックライトが手渡され、暗所の展示が始まります。
ブラックライトで暗がりから文字や絵を掘りおこします。亜炭で暮らしていたころの思い出話や日常会話が浮かび上がり、記憶の街に思いを馳せます。隣にいる来場者に思い出を語る方もしばしば見受けられました。
閉店した埋木店から借用した埋木の原木と埋木細工の展示。原木の一部分が磨いてあり、木の特性や製品とのつながりが一目でわかるようになっています。
東北大学植物園内地下壕(非公開)を紹介したコーナー「秘密の穴園」。この企画で発掘した仙台の新たな地域資源です。
※この地下壕については、亜炭香報7号をご参照下さい。
坑夫の思い出話しなど地下での記憶を展示したコーナー「坑夫のこころ」。坑夫で俳人でもあった古内一吐氏の句集「亜炭山」から数句を抜粋して紹介しました。
会場内に設けられた「談話室」には東北工業大学松山正將先生の研究資料ほか、街を楽しんで見るための切り口が様々用意されています。地図や写真、文献資料を対話のきっかけに、来場者が交流する場です。
展覧会では、仙台の失われた風景を人々の記憶からほんのり浮かび上がらせることを試みました。
失われた風景として「亜炭と埋木」を切り口とするだけでなく、「ホタルのいた風景」も取り上げました。この空間では、今では広瀬川で聞こえなくなってしまった川音風景を再現ました(カジカガエルの鳴き声ほか)。
仙台埋木細工の原材料である「山埋木」とは、時代も性質も異なるもう一つの埋もれ木「川埋木」を紹介するコーナー。
写真手前は福島県伊達市で活動する「あぶくま沈木会」が引き上げた川埋木の切り株、左中央にあるのは今年名取川で発見された名取川埋木です。
川埋木で製作された茶入れやカスタネットと色とりどりの靴べら(あぶくま沈木会松浦丹次郎さんの作品)。
ほかにも沢山のあぶくま沈木会の作品が展示されましたが、直接触れられるものが多く、質感や重さを確かめたり、音色を楽しむことができました。
ここに、伊達伸明さんが制作した埋木製ウクレレ『ウモレレ』が展示されました(写真左)。
ウモレレ作品画像は、別の記事で改めてご紹介します。