会場の様子を写真でご紹介します。
サンモール一番町商店街の「いろは横丁」内の店舗を
改装し、期間限定ギャラリー「亜炭香堂」をオープンしました。
中に入ると・・・
壁いっぱいに文字がかかれた部屋があります。
亜炭の現物や、埋木細工、書籍等資料もあります。
亜炭を使っていた昭和30年代後半頃までの仙台のまち・暮らしの様子、
亜炭採掘時の写真や地図など参考資料が展示されています。
(左)香台では、「亜炭」を燃やしてその独特の香りを懐かしんでいただきました
地層を模した壁面に書かれているのは、「暮らしと亜炭」のエピソード。
ここに綴られた、亜炭のあった頃の甘酸っぱい思い出や
切ない思い出は、おもに50歳以上の方を対象に行ったアンケート調査
により集まりました。アンケートは8月いっぱい行い、約60名の方の
個人史を掘り起こすことができました。
壁に見える黒い縞目は「亜炭層」をあらわしています。
この会場の空間デザインは伊達伸明さんが行いました。
(左)珪化木(木化石)と埋木細工 (右)アンケートの鉄砲風呂スケッチ
入り口向かって左側は元厨房スペースでした。そこには
亜炭に関係する道具や地下鉄東西線工事から採掘
された青葉山の亜炭が展示されています。
週末のみのオープンスペースでしたが、この厨房側展示スペース
は、通路側の小窓から閉場時も覗き見できる空間となっています。
カーバイトランプ(カンテラ)
(手前)亜炭線香 (奥)青葉山埋木
伊達伸明作「亜炭おやじ」 ※土台は拾った埋木を加工
亜炭線香をたばこのようにくわえます。香台。
(手前)まさかりの頭
燃料店から届けられる大きな亜炭は、大きすぎてそのままでは
使えません。この道具で細かく砕いてから、焚きつけに使います。
手前にあるひょろひょろとした細い線は、「亜炭線香」。
青葉山亜炭を配合した線香を伊達さんが開発し、期間中、
線香づくりワークショップも開催しました。
(奥)緋毛氈の上に鎮座する青葉山亜炭
伊達伸明作「埋もれれ」
こちらも仙台で拾った埋もれ木を加工して作られました。
ウクレレと埋もれ木をかけた名前です。
※伊達さんは「建築物ウクレレ化保存計画」を主宰しており
数多くのウクレレをこれまで制作してこられました。
埋木細工には"しゃもじ"もありますが、「埋もれれ」は
しゃもじにも似ています。
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亜炭香堂は、来場者が、壁面に書かれた思い出話に
触発されて自分の思い出を語り出し、別の来場者との
対話が生まれる場所でした。
ご自宅の埋木細工や珪化木のコレクションを会場までお持ちに
なられてお話してくださる方、この企画にあわせて、地学の調査
資料や川埋もれ木の資料を作成してお持ち下さる方など、
様々な来場者がいらっしゃいました。
このように、1階はオープンしてから持ち込まれた展示品で充実し、
市民の研究発表の場としてもご活用いただけたように思います。
ご協力いただきました方々に、この場を借りて、お礼申し上げます。