亜炭香古学~足元の仙台を掘りおこす

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亜炭香堂1階「暮らしと亜炭」

2012年11月29日

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亜炭おやじ.JPG

会場の様子を写真でご紹介します。

サンモール一番町商店街の「いろは横丁」内の店舗を

改装し、期間限定ギャラリー「亜炭香堂」をオープンしました。

亜炭香堂会場前.jpg 入り口看板が目印

 

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 中に入ると・・・

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 壁いっぱいに文字がかかれた部屋があります。

亜炭の現物や、埋木細工、書籍等資料もあります。

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亜炭を使っていた昭和30年代後半頃までの仙台のまち・暮らしの様子、

亜炭採掘時の写真や地図など参考資料が展示されています。

亜炭香堂1.jpg  P1170724.JPG

(左)香台では、「亜炭」を燃やしてその独特の香りを懐かしんでいただきました

 

地層を模した壁面に書かれているのは、「暮らしと亜炭」のエピソード。

ここに綴られた、亜炭のあった頃の甘酸っぱい思い出や

切ない思い出は、おもに50歳以上の方を対象に行ったアンケート調査

により集まりました。アンケートは8月いっぱい行い、約60名の方の

個人史を掘り起こすことができました。

1階奥展示壁面.jpg  壁面.jpg

 壁に見える黒い縞目は「亜炭層」をあらわしています。

この会場の空間デザインは伊達伸明さんが行いました。

P1170753.JPG  鉄砲風呂.jpg

 (左)珪化木(木化石)と埋木細工 (右)アンケートの鉄砲風呂スケッチ

亜炭用語.jpg 入り口資料展示.jpg

資料展示.jpg

入り口向かって左側は元厨房スペースでした。そこには

亜炭に関係する道具や地下鉄東西線工事から採掘

された青葉山の亜炭が展示されています。

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週末のみのオープンスペースでしたが、この厨房側展示スペース

は、通路側の小窓から閉場時も覗き見できる空間となっています。

カンテラ.jpg

 カーバイトランプ(カンテラ) 

亜炭香と青葉山埋木.JPG 

(手前)亜炭線香 (奥)青葉山埋木

亜炭おやじ.JPG

 伊達伸明作「亜炭おやじ」 ※土台は拾った埋木を加工

亜炭線香をたばこのようにくわえます。香台。 

亜炭を割ったまさかり.JPG

(手前)まさかりの頭  

燃料店から届けられる大きな亜炭は、大きすぎてそのままでは

使えません。この道具で細かく砕いてから、焚きつけに使います。

厨房側展示(亜炭香).jpg

 手前にあるひょろひょろとした細い線は、「亜炭線香」。

青葉山亜炭を配合した線香を伊達さんが開発し、期間中、

線香づくりワークショップも開催しました。

厨房展示3.jpg 

(奥)緋毛氈の上に鎮座する青葉山亜炭

埋もれれと青葉山亜炭.JPG

 伊達伸明作「埋もれれ」

こちらも仙台で拾った埋もれ木を加工して作られました。

ウクレレと埋もれ木をかけた名前です。

※伊達さんは「建築物ウクレレ化保存計画」を主宰しており

数多くのウクレレをこれまで制作してこられました。

埋木細工には"しゃもじ"もありますが、「埋もれれ」は

しゃもじにも似ています。

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亜炭香堂は、来場者が、壁面に書かれた思い出話に

触発されて自分の思い出を語り出し、別の来場者との

対話が生まれる場所でした。 

ご自宅の埋木細工や珪化木のコレクションを会場までお持ちに

なられてお話してくださる方、この企画にあわせて、地学の調査

資料や川埋もれ木の資料を作成してお持ち下さる方など、

様々な来場者がいらっしゃいました。

このように、1階はオープンしてから持ち込まれた展示品で充実し、

市民の研究発表の場としてもご活用いただけたように思います。

 ご協力いただきました方々に、この場を借りて、お礼申し上げます。