9月22日、
予想を上回る参加申込みに、急遽バスを大型に変更し、定員増で開催された今回のツアー。
福島県伊達市にある 明治の擬洋風建築旧亀岡
※「川埋木」については、「亞炭香報3号」裏面をご覧ください。
最初の見学は、タイトルにある「山アナボコ」。名取市にある熊野堂横穴墓群に到着です。
◆ 熊野堂横穴墓群
植物が繁茂しているため、この写真ではアナボコの全体像が捉えにくいですが、圧巻のアナボコです。「近くにこんな地域資源があったなんて!」と驚くこと間違いなしです。
草に覆われていない写真が、名取市のホームページに紹介されていますので、ご覧ください。古墳についての詳細な説明も掲載されています。
http://www.city.natori.miyagi.jp/soshiki/kyouiku/bunka/annai/node_1784/node_1461/node_1735
◆川埋木
福島県伊達市保原町 保原総合公園に到着
元々は現在の伊達市桑折町に建てられていたこの建物は、旧保原町に寄贈され、後平成7年に移築復元されました。
さて、どこに川埋木が使われているでしょうか。
これが川埋木。丸太の状態で残っているのはとても珍しいそうです。
曲線が素晴らしい階段。 川埋木だけでなく、建物内の細部にみられる工夫と技術の高さには目を奪われます。
下の写真、窓の細工は川埋もれ木が使われています。
トイレは通常一般公開されていない場所ですが、ドア、天井、壁板などふんだんに川埋木が使われています。
2階にあがると、雰囲気が一転、白が基調となった空間が広がります。
川埋木については、
土龍舎発行の「阿武隈川の埋もれ木-まぼろしの銘木の歴史と文化-」(著者 松浦丹次郎)に非常に詳しい解説がありますので、ぜひご一読ください。
http://datenokaori.web.fc2.com/sub40.html
この本を通じて出会った「あぶくま沈木会」のみなさんとの座談会を、今回のツアーで実現することができました。
あぶくま沈木会さんは、川埋木の歴史文化研究を行うほか、阿武隈川に、今でも時折現れるという幻の川埋木を、国の許可を得てひきあげ、これを素材に工芸作品を制作する活動をしています。
実際に、川埋木の作品をみせていただき、川埋木とはどういうものなのかお話しを伺いました。
「あぶくま沈木会」さんとの座談会
マスコットのあぶちゃんが迎えてくれました。「沈木」と書いて、「うもれぎ」と読むのだそうです。
(もちろん、下の台もあぶちゃんも川埋木製)
解説してくださっているのは幕田一義さん。
川埋木は木の色合いがそれぞれ違い、山埋木とはまた異なる素材感があります。
あぶくま沈木会のみなさんの作品。
埋木は普通の木材よりも非常に扱いづらく(縦にも横にも割れやすく)、まずこの性質に慣れるだけでも大変で、ましてや形あるものに細工するのは難しいとききます。
何よりも驚くべきことは、現在「川」埋木を自分たちで手に入れ、それを使って作品制作する人々が存在しているということです。
川埋木は山埋木に比べ、川中ではそれと判定しづらく、目撃頻度が少ないものです。仙台では山埋木の職人さんが最後の一人であることを考えると、本当に驚くべき活動です。
「手にとってみていいですよ」と対応してくださる「あぶくま沈木会」のみなさん。
あぶくま沈木会のみなさんが、参加者のために手作りのお土産(川埋木の夫婦箸やストラップ、本「阿武隈川の埋もれ木」、果物など)を沢山用意してくださいました。一同感動の嵐です。
伊達家の領土でつながった埋木文化との新たな出会いと学びの一日でした。
「あぶくま沈木会」のみなさま、本当にありがとうございました。
あぶくま沈木会のみなさん+伊達伸明さん。
仙台から旧亀岡家住宅(保原総合公園内)へは車で約1時間です。
松島瑞巌寺の埋もれ木書院は平成30年まで、修繕のため見学できませんが、こちらで川埋もれ木を堪能できますので、ぜひ足をお運びください。