亜炭香堂2階「わが家の埋もれ木細工展」の様子をご紹介します。
この展示は、「埋もれ木と私」のアンケートでご回答くださった方から
ご自宅にある埋もれ木細工を借用して展示しました。
いまの生活のなかに、どのように埋もれ木細工があるかをご紹介するために、
新品の工芸品を集めてみせるのはなく、アンケートでよせられた「埋もれ木
細工の入手方法」など由来のエピソードとともに、普段から使用されている
品を展示しました。
2階は薄暗い空間にスポットライトで展示品を照らすしつらえでしたが、
ブログでご紹介するにあたり、自然光で撮影した写真をご覧いただきます。
「埋もれ木と私」のアンケートは、ご自宅にある埋もれ木細工の
由来や、それにまつわる思い出を尋ねたものです。
花台、お盆、茶托、ブローチ、ネクタイピン、銘々皿、スプーン、
しゃもじ、ペーパーナイフ、茶さじ、急須台、つまようじいれ、
硯箱、ネックレス、富士山やかえるの置物など様々なものが集まりました。
「亜炭香堂」には、埋もれ木細工の職人さんのご家族や、昔埋木細工店
を営んでいらっしゃった方など、「埋もれ木細工」の仕事にゆかりある
沢山の方が訪れ、当時の一大産業であったことを感じさせます。
どのように山から埋もれ木を工場まで運んだのか、どうやって埋もれ木を
加工したか、など貴重なお話しを伺う機会となりました。
各ご家庭に借用に伺ったときの様子。
【埋もれ木と私のエピソード】(抜粋)
● 亡夫に買ってもらいました。今となっては貴重品です。
● 実は今我が家の「家系図」を作成しているところです。三代前の母方の関係者に埋木細工の職人だった由。その代から先が判明できずにいるので・・・・・手がかりもなく当時の川内近辺の山屋敷にお住まいしていた由。職人の方を探しております。
● 茶托を使っています。10数年前に埋木細工の工芸品が消えてしまうということで、購入しました。今でも大切に使っています。
● 埋れ木製のカフスボタンとネクタイピンのセットになったものを転任祝いに記念品としていただいたことがあります。年に1回くらいは使っている。
● 出生地に於て祖父が埋木工場を営んで、工人も存在していたので、細工物も半製品であるが、私が出生した1935年に父が死亡しているため、多少父の手掛けたと思われる物をと大切に保存している。また、中学時代から祖父の老いのカバーをし、多少細工を手伝ったこともあったし、小学4年頃から祖父とともに問屋の注文品を大風呂敷で包み、そして背中に背負ったり手伝いをしたものです。
● 「つまようじ入れ」は今から40年ぐらい前、東京の親類の子が松島へ修学旅行のおみやげのものです。今は思い出して懐かしく、また大事にしようと思っています。また、此の度、この機会で我が家の埋もれ木細工にいろいろの思いを持って見ることが出来て嬉しく思っております。
● 戦前に義姉の嫁ぎの舅が埋もれ木細工職人をしていた。当時茶托や菓子皿などを作っていた。
● 父親が職人だった。磨くときはサメの皮で。
● 埋もれ木細工の置物は昭和36年10月結婚した私たちに、主人の上司だった方より戴き大事にしておりました。上司のお父上の作品と聞いております。また、その方の妹様は私の中学時代の同級生でした。此の度老人クラブでこのアンケート用紙をいただき愛着を感じ静かになでるよう布で磨きました。仙台には玉虫塗、堆朱などの名産品にも埋もれ木細工がお店に並んでいました。
● 実家の茶たんすの中に入ってあるのをめづらしくて母から頂戴して大事にしてありましたが、45年前のことです。この機会にと思いさがしてみましたが見当たりません。残念です。
● 贈り物。父。貴重な物だと知らずに置いていて、あまり気にしていなかった。
● 嫁入先にあったものです。
● 昔から家に置いてあったもの。今は重いのでほとんど使用していない。たまに鍋敷きの台を使用する程度。
● 我が家にある埋木細工。茶托6、お客に茶をすすめるとき今も使っている。親の代から約80年前と思う。34年前、親が亡くなった折、自宅で和尚さんにお茶をすすめたとき、茶托を見「これは埋木細工だから大事にするとよいよ。」といわれて、その茶托の存在を意識しました。現在も大事に使っています。
● 仙台空襲以前、家に(仙台市内東北電力近く)有りました。茶托5枚とお盆(これはうる覚えですが、経40cm~50cm位厚くて中心物を乗せる部分に、何か彫って有り、親にこれは貴重品だと聞いていた。・たぶん父が求めた物と思う。空襲後ない。焼夷彈。我が家も租界先(現福祉大裏西側も直撃で焼けている。總二階の家二軒焼けた。平野には落とされなかった。
● 友人のおじいさんが職人さんだったので、アクセサリーをいただいたことがあった。(ペンダント・ブローチなど)今はありません。
● 仙台に移住した頃(約25年前)デパートで売っていました。いろいろな細工物と一緒に。
● タカの彫刻、ダルマのおきもの、カベ掛け用の短冊入れなど。かわいた布でつやぶきしている。