2月9日に宮城野高校「放課後講座」で行われた、埋もれ木細工の体験ワークショップ。
全国唯一、最後の一人といわれる埋もれ木細工工人・小竹孝さんを講師にお招きし、約20名が箸置の制作に取り組みました。
今回の授業のテーマは、「埋もれ木の感触を知ろう」です。
埋もれ木が採掘されなくなってから40年近く経つ今、高校生にとっては、初めて出会う素材といえるかもしれません。現在では、入手不可能な材料であることを考えても、埋もれ木に触れる今回の授業は貴重な機会といえます。
まずはじめに、小竹さんから「埋もれ木」についての説明と、ご自身の作品や活動についてお話しがありました。
埋もれ木は仙台の名産品であること、また、その歴史についてお話しをききました。
その後、制作に入ります。
まず、箸置き用の埋もれ木素材の中から、一人2個ずつ、気に入った材料を選びます。
最初に、箸をおく部分として、中央に窪みを作ります。
小竹さんにお手本を見せていただき、みんなで挑戦。
今回の箸置きづくりのポイントは、埋もれ木らしい、ざらざらした表面をのこしつつ、一方でつるつるに磨く面を作り出すこと。
削り終わったら、くぼんだ箇所をつるつるに磨き上げます。
洗面器に水をはり、耐水ペーパー(紙やすり)を使って、水研ぎをします。
耐水ペーパーの目の粗いものから細かいものまで、丁寧に研磨していくと、みごとにつるつるになります。木目もはっきり浮き上がってきます。
そのなめらかで優しい肌合いが、埋もれ木の特徴であることを実感させます。
充分に研磨したあと、30分ほど自然乾燥させて、透明ラッカーを塗り、最後の仕上げに入ります。まずは窪み部分にラッカーを塗り、次に裏面全体に。
最後に表面の残り部分にかけていきます。
今回の授業では乾かすのに時間がかかるため、表面残り部分のラッカーぬりは、翌週の作業となりました。
<< 授業を受けての感想 >>
◆埋もれ木細工を見るのも初めての経験でした。職人の小竹さんが制作された作品は、仕上がりがとても丁寧で、しかも1枚の板から彫り込んでいることに驚きました。自分たちが体験した埋もれ木を使った箸置きは、小さくても埋もれ木の材質感をタップリ感じることができました。化石なのに逆目があることも分かり、元は木であることがよく分かりました。貴重な材料を提供していただき、丁寧にご指導いただいた小竹さんに感謝します。 ありがとうございました。
◆埋もれ木細工の体験で箸置きを作りました。手本を見せていただいた職人の小竹さんは、いとも簡単に削っていきますが、実際に自分がやってみるとなかなか思うようには丸ノミを使うことができませんでした。でも、小竹さんやお弟子さんから丁寧に教えていただけたので、最後は自分でも彫り上げることができ、耐水ペーパーで仕上げた後の箸置きはとても立派に見えました。