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【レポート】やわつちサロン第6回「やわらかな土から何が生まれる?」

2018年05月14日

日時: 2018年3月28日(水)19:00~21:00

 

東北の地域や資源、課題などを調査し、表現につなげるための交流拠点をめざしているTRAC。早いもので、夏にオープンして10ヶ月が経ちました。TRACを運営する団体“やわらかな土から(NOOK、3.11オモイデアーカイブ、エイブル・アート・ジャパン)”が主催となって始めた「やわつちサロン」も、今回で第6回目となります。これまでのサロンでは、サロンマスターの考えていることや気になることをテーマに設けて開催してきました。(詳しくは過去記事をご覧ください!)

 今回は年度末ということで、TRACの1年目でどのような展覧会やイベントを開いてきたのかを、記録写真を見ながらサロンの場で共有しました。このレポート記事でも、今年のTRACの活動をすこしだけ振り返ってみたいと思います。

 振り返りにあたって、まずサロン参加者のみなさんにご覧いただいたのは、TRACをオープンするにあたって描かれた“やわらかな土から” のコンセプトイメージ(図1)です。

図1 やわらかな土からコンセプトイメージ

 

  調べる(RESEARCH)、調べてきたことを資料室に集める(LIBRARY)、展覧会やイベントで調査を開示して人びとの集う場をつくる(EVENT)。この3つの軸からTRACでの活動を考えていくときに、“やわらかな土から”は「立ち上がりの技術」というキーワードをつくりました。災厄に立ち会ったとき、もしくは何らかの生きづらさを抱えたときに、人びとのあいだではそこから立ち上がっていく創造性やチャレンジする力、思考の末の工夫が生まれます。震災から7年を迎えるここ東北で、そういったさまざまな「立ち上がりの技術」について大事に調査をしていこうと考え、“やわつち”メンバーは今年ふたつの展覧会を企画しました。

 戦争・民話・震災を語り継ぐ語り手たちの声を、彼らの生きてきた道のりとともに聞く「語り野をゆけば」展(図2)。障害のある作家たちがつくる作品について、作家それぞれの歩みを基にひもとく「つくる手 さぐる手 かきわけて」展(図3)。展覧会期間中は、企画にご協力いただいた語り手さんや作家さんに会場へお越しいただいてイベントを開催したり、てつがくカフェ形式で対話の場をひらいて、問いを深めました。

図2 「語り野をゆけば」イベントの様子

図3 「つくる手 さぐる手 かきわけて」イベントの様子

 

 また、「立ち上がりの技術」のプロジェクトと並行して、今回のような月に1回の「やわつちサロン」で出会いの場づくりをしたり、日常生活ではなかなか話し合いづらいことをおしゃべりできる機会をつくろうと試みています。サロンは今後ゲストスピーカーをお招きしながら、“やわつち”の内輪から外の輪へゆっくりと拡大していく予定です。

 さて、前半が“やわらかな土から”の話題ばかりになってしまいましたが、TRACはせんだいメディアテークの“アートノード”プロジェクトの一環として開かれている場所です。メディアテークの主催事業では、美術家の伊達伸明さんに企画に入っていただきながら、リサーチ(調べること)自体のおもしろさや魅力に着目した「しらべの細道」シリーズの展覧会が開催されました。地質学者・渡辺萬次郎さんのスケッチから仙台のまちを深掘りする「萬次郎さんの風景スケッチ」展(図4)。緻密な観察によって描かれた、大友浩一郎さんの動物イラストレーションを紹介する「図解!どうぶつもよう」展(図5)。
アートノードの仙台商人プロジェクト「仙台ナンダ札」の活動をまとめた記録展もTRACで開かれました。

図4 「萬次郎さんの風景スケッチ」展示会場

図5 「図解!どうぶつもよう」 ぬりえコーナーの様子

 

 いずれも仙台や宮城に関わりのあるキーワードながら、リサーチの切り口はさまざま。それぞれの展示のチラシを街中で見て知り、TRACにご来室してくださる方も多くいらっしゃいました。

 こうして振り返ってみると、意外にたくさん活動していたのかもしれない?思わずはにかんでしまった“やわつち”メンバーたちでした。

図6 今回の「やわつちサロン」の様子

 サロンの後半では、ご参加いただいたお客さまとグループに分かれ、2年目のTRACはどんな場所だと関わりやすくなるだろう?と意見交換をおこないました。これまでの企画を丁寧に記録してみせていくことや、人が集う場づくりにあたってまずケアの視点を学ぶ必要性など、作戦会議ではみなさんにたくさんのプランをいただきました。催し物をするとき、人を呼ぶにはいったいどうすればいいだろう…とつい内々で頭を抱えてしまいがちですが、それを一緒に考えてくださる方々の存在はとても頼もしく感じられます。ご参加いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
 今回いただいたアイディアを持ち帰らせていただきながら、TRAC は2 年目を模索中です。どうぞこれからもよろしくお願いします!

文責:佐竹真紀子(一般社団法人NOOK)

 

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プロジェクト

「東北リサーチとアートセンター(通称TRAC)」は、仙台や東北の歴史・資源・課題などを調べ、アートや表現につなげる活動と交流のための拠点です。せんだいメディアテークが地域で展開するアートプロジェクト「…

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イベント

2018年3月28日(水) 19:00~21:00 
場所 東北リサーチとアートセンター(TRAC) イベントスペース
参加費 300円(申込不要、直接会場へ)
3月のサロンでは、TRACの1年目でやってきたことを、開催したイベントや展覧会から振り返ります。