【レポート】やわつちサロン第3回「つたわらないからだでつたえる」
2017年12月13日 (更新:2017年12月15日)
開催日時: 2017年11月22日(水)19:00~21:00
TRAC の運営パートナー”やわらかな土から”がマスターを担当し、月に一度開催しているやわつちサロン。早いもので、11月で第3回目の開催となりました。
今回のサロンマスターは、一般社団法人NOOKの中村大地さんと、エイブル・アート・ジャパンの武田和恵さん。「つたわらないからだでつたえる」と題して、体験型ワークショップを交えてのサロンを実施しました。
参加者のみなさんにお集まりいただいたところで、輪を作って座り、さっそくウォーミングアップがはじまります。
「合図や掛け声を使わないで、一人ずつ立ち上がってみてください。誰かと同時に立ち上がったらアウト」中村さんからの提案に、ちょっとはにかみつつのチャレンジ。途中で何度か失敗しつつも、お互いの表情や動作、雰囲気を感じ取りながら、全員笑顔で達成です。
サロンマスターは前回から変わり、3.11オモイデアーカイブの佐藤正実さんと、一般社団法人NOOKの佐竹にバトンタッチ。今回は、まちや人々の記憶を記録するアーカイブ活動のお話です。
記憶を収集するアーカイブの入り口部分を「イリ」、収集した記録素材を利活用していく出口部分を「デ」と例え、とくに「デ」の活動に力をいれている語る正実さん。まずは、仙台沿岸地域での交流づくりをめざす「3.11オモイデツアー」の活動のひとつ、震災前に撮影された写真を囲んでおしゃべりする”オモイデ語り”の映像を見せていただきました。1枚の写真をもとに地元の人たちがいきいきとオモイデを語り合う様子につられて、TRACの会場でも自然と顔がほころびます。
ここで、メインでもある「つたわらないからだでつたえる」のワークショップに移ります。
まずは二人組のペアをつくり、それぞれに小さい頃の記憶を話す。聞いた相手の記憶を、今度は自分の体験として話してみる。最後に改めて、自分の記憶を語りなおす。中村さんが演劇をつくるときにも取り入れているこの3段階のワークショップを、実際にみなさんに試していただきました。
最初は曖昧に語った記憶も、相手の声やからだを通して聞いたら徐々に整理ができたり、鮮明になったりする。自分でも意識していなかった思い出のこだわりポイントに、ふと気がついたりもする…サロン後半の振り返りでは、それぞれのペアごとに起きた緩やかな変化や発見を共有しました。
「今日のワークショップって、当たり前のようでいて、実は当たり前じゃなかったズレを知ること。伝わらなさを確認することでもあったりするよね」と、締めはマスターの武田さんから。武田さんと中村さんは、来年2月に行われる舞台のプロジェクト「SOUP STAGE」を現在進めています。言葉だけではなく、身体を通したやりとりも含めて、誰かと協働してなにかをつくっていけるような豊かな場にしていけたらいいね、と語ってくださいました。
実は今回は特別に、韓国から来日中のアーティスト、ドヨンさんが特製トッポギをつくってお振舞いしてくださっていました!
ご参加いただきました皆様、そしてドヨンさん、誠にありがとうございました。
次回のやわつちサロンは12月13日に開催予定です。どうぞよろしくお願いします!
報告:佐竹真紀子(一般社団法人NOOK)