【展覧会】立ち上がりの技術 vol.02 「つくる手 さぐる手 かきわけて」
2018年02月27日 (更新:2018年3月3日)
“障害のある”作家たちがつくった作品と、彼らの手さぐりの歩み
大竹徹祐
きょうこ
工藤 生
塗 敦子
松浦 繁
会場:TRAC 東北リサーチとアートセンター
会期:2018年3月23日(金)— 4月22日(日)
開室時間:12:00—18:00
休室日:月・火曜日
入場無料
魅力ある作品をつくる障害のある作家たち。本展では、彼らの作品を紹介するとともに、「なぜこの人はこの作品をつくるのだろう?」という背景をひもときます。
一言に作品と言っても、「どうしてつくり始めたのか」「なんで続けているのか」など問うていくと、その歩みはさまざまに異なるでしょう。特に障害のある作家の中には、一般的なコミュニケーション手段を使うことが難しかったり、心身に関わる制限により使える道具や環境が限られたりする人もいます。彼らが作品をつくり発表するまでのプロセスには、個人としての理由や動機のほかに、家族や介助者との共同作業、社会福祉的な試みの跡などが多く含まれています。しかしそこには、“障害のない”作家の営みとの違いよりも、作品をつくり発表することの奥底に共通する何かを見つけることが出来そうです。
【参加作家】
大竹徹祐(おおたけ・みちひろ)
1977年生まれ、宮城県亘理町在住。幼少期、自分を負ぶう母親の背中に絵や文字を描く。一時福祉事業所に通い、造形活動を行う。現在は自宅で日々を暮らし、幼い頃に見たテレビ番組や数年前に描いたモチーフを、記憶を頼りに繰り返し描いている。
きょうこ
小学校時代、造形教室で創作活動を開始。中学・高校では美術部に所属し、油彩を学ぶ。2014年頃より本格的に制作を再開。日常の中で心惹かれたフォルムをデフォルメして描き留め、それらを集合体として構築し、平面作品をつくる。
工藤 生(くどう・いくる)
1993年生まれ、仙台市在住。NPO法人多夢多夢舎中山工房所属。小、中学校時代の恩師に絵画、書道を学ぶ。2015年より同工房のアート活動に参加し、アクリル絵の具で電車の絵を描き始めて以降、日々自分の好きなモチーフを描いては人に見せて会話を楽しんでいる。
塗 敦子(ぬり・あつこ)
1971年生まれ、仙台市在住。1999年、通所している福祉作業所でアート活動に参加。現在は、同所の日中活動として、スタッフが選んだモノクロ写真をモチーフにし、カラフルで多様な線を用いた絵を日々描く。アトリエ「あーとらんどくらぶ」にも通っている。
松浦 繁(まつうら・しげる)
1971年生まれ、宮城県大河原町出身、仙台市在住。1990年、脳内出血にかかり、4年間の闘病とリハビリの生活の中で木彫と出会う。退院後、木彫教室「アトリエ創」に通い、以降およそ10ヶ月に1作品のペースで制作を続けている。
———————–
■ 関連イベント
全て参加無料、要申し込み(各回定員20名・先着順)
イベント日は通常の展示が一部ご覧いただけませんのでご了承ください。
◆ 3月25日(日)13:00-16:00 作家さん大集合!!
参加作家による作品解説やライブペインティング、サイン会などを行います
◆ 4月7日(土)14:00-16:00 てつがくサロン “作品を見るとは?”
参加者同士の対話を通して、テーマについてじっくりと考えを深めます
ファシリテーター:瀬尾夏美(一般社団法人NOOK)
ファシリテーショングラフィック:中村大地(一般社団法人NOOK)
◆ 4月15日(日)14:00-16:00 ギャラリーツアー
企画者による展示解説と、展覧会の振り返りを行います
ナビゲーター:一般社団法人NOOK、特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパン
<申し込み先=TRAC 東北リサーチとアートセンター>
メールかお電話にて、イベント名、お名前、ご連絡先をお伝えください。サポートの必要がある方は、その内容もお知らせください。(エレベーター有り)
■ 関連展覧会 「大竹徹祐・塗敦子・松浦繁3人展」
会期:2018年4月17日(火)— 4月22日(日)11:00〜19:30(最終日は17:00まで)
会場:Gallery TURNAROUND ※TRACより徒歩8分
出品作家:大竹徹祐、塗敦子、松浦繁
———————–
アクセス 東北リサーチとアートセンター[TRAC]
〒980-0804 仙台市青葉区大町2丁目3-22 第五菊水ビル3階
[アクセス]地下鉄東西線「大町西公園駅」東1出口(徒歩1分)
電話・FAX 022-397-7256
artnodeTRAC@gmail.com
Facebookページ https://www.facebook.com/trac.sendai/
———————–
【SOUP(障害者芸術活動支援センター@宮城)】とは?
障害(バリア)から価値(バリュー)へ。障害、性別、世代、地域……、違いを受け入れられる文化のある社会こそが、本当に豊かなまちと言えるのではないでしょうか。その突破口のひとつとして、特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパンでは、2014 年から「まぜると世界が変わる」をコンセプトに、障害のある人たちの芸術文化活動を支援しています。本展では、2016年度にSOUPが行った調査・発掘事業の中で出会った作家たちをご紹介しています。
ウェブサイト http://soup.ableart.org/
【立ち上がりの技術】とは?
TRAC(東北リサーチとアートセンター)の共同運営チーム、「やわらかな土から」が、TRACを運営する上で軸にしているコンセプト。
災厄に遭うことや心身におけるハンディを持つこと、マイノリティの立場に立つことなどから「立ち上がっていく」ための表現に注目したリサーチを行い、それらで得られた知見を批評、検証し、そのなかで現在の東北にも応用可能な表現の技術を見出します。また、それを展示にして開いていきながら、展示の場から考えるトークやてつがくカフェを開催していきます。
【やわらかな土から】とは?
TRAC(東北リサーチとアートセンター)の共同運営チーム。メンバーは、地域と協同しながら記録をつくる組織・一般社団法人NOOK、仙台市でのアーカイブ活動を通した市民協働を行う3.11オモイデアーカイブ、障害のある人々とアートをつなぐ中間支援組織である特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパンの3団体です。
【TRAC(東北リサーチとアートセンター)】とは?
仙台や東北の歴史・資源・課題などを調べ、アートや表現につなげる活動と交流のための拠点です。せんだいメディアテークが地域で展開するアートプロジェクト「アートノード」事業の一環です。
———————–
主催:やわらかな土から、せんだいメディアテーク
企画:一般社団法人NOOK、 特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパン
協力:
Art Seeds
アトリエ創
Tag:
記事のステータス