【募集終了】立ち上がりの技術vol.4 他薦によって“表現のようなもの”を集めた展覧会「レコメン堂」
2019年07月01日 (更新:2019年7月30日)
レコメンバー《他薦者》募集!
誰かがつくったもの、すごいと思う行為、まちのなかの気になる光景…
身の周りにある“表現のようなもの”、みんなに伝えてみませんか?
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【レコメンバー《他薦者》募集にあたって】
私たちは震災後の東北で、さまざまな“表現のようなもの”に出会い、それらを記録し、伝える活動をしてきました。これらは、絵や彫刻といった既存の表現方法には当てはまりにくいものですが、大切な動機によって生まれ、見る人のこころを打ちます。
たとえば、広く被災した土地におばちゃんたちがつくった、巨大な花畑。それは、そこで亡くなった人たちへの弔いであり、ばらばらになったコミュニティを繋ぎなおす場であると同時に、色を失った風景を彩り、通りすがる人びとを癒す“表現”でもありました。
ある困難や迷いに直面し、その状況を突破するために立ち上がろうとするとき、人は、思いがけない技術を編み出し、なにかしらの“表現のようなもの”を生んでしまうのかもしれません。
震災から8年が経ち、日常が取り戻されつつある中で、ふとあらためて周りを見渡してみると、このような“表現のようなもの”は、日々の暮らしにも、ふつうにあるものだと気づくようになりました。
そこで、私たちは、みなさんの周りにもあるはずの“表現のようなもの”を探してくれるレコメンバー《他薦者》を募集します!そして、メンバーそれぞれが推薦する(=recommend)さまざまな表現が一堂に会する『レコメン堂』という展覧会を開催します。
“表現のようなもの”は、つくっている本人にとって、身近すぎたりささやかすぎたりして、その価値に気がつかないものかもしれません。だから《他薦者》が必要なのです。
誰にも気づかれずに生まれつづける“表現のようなもの”は、きっと、《他薦者》であるあなた自身や展覧会を訪れる人たち、そしてつくり手本人を励まし、生活に必要なヒントを与えてくれるでしょう。
この機会にぜひ、あなたの気になる、大切だと思う、尊敬している“表現のようなもの”を、シェアしてみませんか?
やわらかな土から より
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【募集期間】
2019年8月1日(木)〜9月15日(日)
募集にあたって説明会を開催します
2019年8月24日(土)14:00〜16:00
会場 せんだいメディアテーク 7階スタジオa
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【募集要項】
★応募条件
レコメンバー《他薦者》になって、気になる“表現のようなもの”をとにかく紹介したい人。
東北リサーチとアートセンター[TRAC]へ来て、企画団体とのヒアリングに参加することが条件になります。
★活動の流れ
①調査と承諾について
レコメンバー《他薦者》として気になる表現を紹介するために、つくり手あるいは関係者に話を聞くなどの調査をしてください。その際、可能な範囲で応募の承諾を得てください。
※つくり手が不明な場合はご相談ください。
②推薦文を書いて、応募申込をする
応募用紙A・Bに必要事項を記入・資料を貼付し、そのコピーを郵送、FAX、またはEメールでTRACへお送りください。
送付先の詳細、応募用紙のダウンロードは【申込について】をご覧ください。
申込期間:2019年8月1日(木)~9月15日(日)必着
③ヒアリングと展示物の持ち込み
”表現のようなもの”の現物、もしくは資料をTRACまでご持参ください。その際、企画団体が《他薦者》にヒアリングを行い、エピソードのテキストを作成し、展示方法の検討をします。表現のつくり手や関係者に同伴してもらってもOK!
*所要時間は1時間ほどです。下記の実施日のうち、参加希望日時を応募用紙にご記入ください。申込完了のご連絡の際に、ヒアリングの日時をお伝えします。
実施日:9月1日(日) 担当:NOOK
9月8日(日) 担当:エイブル・アート・ジャパン、NOOK
9月21日(土) 担当:エイブル・アート・ジャパン、NOOK <パフォーマンスで応募の方におすすめ>
9月27日(金) 担当:NOOK
9月28日(土) 担当:NOOK
9月29日(日) 担当:3.11オモイデアーカイブ、NOOK
時間帯:午前の部/11時〜
午後の部/14時〜
夕方の部/17時〜
④展覧会
(1)推薦された表現の現物もしくは資料
(2)レコメンバー《他薦者》の書いた推薦文
(3)聞き取りしたエピソードのテキスト
で構成した展覧会を開催します。
会期:2019年11月8日(金)~2019年12月26日(木)
期間中の金土日 ※ただし、12月23日(月)~26日(木)は開室
13:00〜20:00(最終日16:00まで)
会場:東北リサーチとアートセンター[TRAC]
★参加費
無料
※ただし、《他薦者》の事前調査、応募用紙の郵送、展示物の持ち込み・引き取りなどにかかる費用は自己負担となります。
★説明会
2019年8月24日(土)14:00~16:00
会場:せんだいメディアテーク7階スタジオa
企画団体より応募に関する条件などを説明し、ご相談を伺います。説明会に不参加でも応募は可能です。
★応募について
上記の「活動の流れ」と、以下の内容に同意の上でご応募ください。
◆ヒアリングについて
・応募多数の際は、予定実施日以外の日にヒアリングをお願いする場合があります。
・手話通訳や筆談等のサポートをご希望の方は、お知らせください。サポート内容を検討しますが、ご要望に添えない場合があります。あらかじめご了承ください。
◆展示について
・《他薦者》と相談の上、展示形態は主催者が判断し、設営します。展示スペースの都合で現物の展示が難しいものは、写真などの資料に代えて展示します。
・会場の安全や衛生に影響を及ぼすものや、公序良俗に反するおそれのある表現については資料展示とする場合があります。
・原則、応募選考は行いませんが、ヒアリングが実施できない、連絡が取れない等の状況によっては、参加をお断りすることがあります。あらかじめご了承ください。
・搬出は、展覧会最終日12月26日(木)16:00~19:00と27日(金)11:00~16:00に行います。この時間内に、会場まで展示物の引き取りにお越しください。引き取りが難しい方へは送料着払いにて郵送します。
・展示物の保管・設営・搬出には十分注意しますが、破損などの責任は負いかねます。
◆情報や記録の扱いについて
・応募された個人情報は本件に関する連絡にのみ利用します。
・企画に関わる活動や展示物の記録撮影を行います。WEBなどの広報、新聞などの報道で掲載する場合があります。
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企画団体 やわらかな土から
NOOK、エイブル・アート・ジャパン、3.11オモイデアーカイブの三者によるTRAC共同運営チーム。
震災後の表現をまなざす「立ち上がりの技術」をコンセプトに活動中。
◆一般社団法人NOOK
仙台を拠点に、土地と協働しながら記録をつくる組織。
アーティスト、研究者、演出家がさまざまなメディアを活用し、調査・記録・制作を行う。
得意分野:アート、記録、パフォーマンス
◆NPO法人エイブル・アート・ジャパン
障害のある人々とアートをつなぐ中間支援組織。
さまざまな立場の人やグループ・団体が出会い、交流する機会をつくり、社会変革につながる共感や感動を生み出すことを目標に全国各地で活動する。
得意分野:障害のある人たちの支援、アート、デザイン
◆3.11オモイデアーカイブ
仙台でアーカイブ活動を通した市民協働を行う団体。
震災前後のまちの暮らしと人々の営みを記録し、その活用を考える「記憶を育てるアーカイブ」を実践中。
得意分野:郷土史、アーカイブ、まち歩き
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申込の際は、以下の応募用紙A・Bに必要事項を記入・資料を貼付し、そのコピーを郵送、FAX、またはEメールでTRACへお送りください。
応募用紙(pdf/996KB)データ(こちらをクリックし、ダウンロードしてください)
送付先:
住所 〒980-0804 仙台市青葉区大町2丁目3-22第五菊水ビル3階
東北リサーチとアートセンター レコメン堂 係
Eメール recommendoTRAC@gmail.com
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【推薦文の参考例】
あなたの気になる“表現のようなもの”について、120字で推薦文を書いて応募しよう!
<例1> まるい田んぼ
つくり手:荒浜のめぐみキッチン
レコメンバー:磯崎未菜
推薦文
海辺の町で開墾された「まるい田んぼ」では、みんなで育てた穀物を料理して食べたり、生き物の観察をしたり、田んぼをステージにして朗読会を行ったりする。その営みは、円の形のイメージと合わさって、私たちの生命が自然の中で循環することをふと想像する。
<例2> シャチョーの音楽
つくり手:シャチョー(ヒサト)と母えりな
レコメンバー:S
推薦文
シャチョーは朝が苦手な小学6年生。えりなの世界は彼を中心にまわっている。シャチョーは言葉を使わないため、小さい頃から棒や音具を鳴らし、身体をゆらし、好きも嫌いもウマいもまずいも表現してきた。最近、彼が奏でる即興の音楽は巷で話題になっている。
<例3> 舟要(しゅうよう)の書
つくり手:笹谷由夫さん
レコメンバー:佐藤正実
推薦文
仙台市宮城野区蒲生(がもう)で生まれ育った笹谷由夫さん。震災後、ご自宅跡に再建した交流拠点「舟要の館」の外壁に、怒りや諦め、迷い、慈しみ、望みを愚直に笹谷さんは書きしるす。笹谷さん自筆の言葉の力を感じて欲しい。
<例4> 好きなものが詰まったトワル
つくり手:工藤生さん
レコメンバー:坂部認
推薦文
工藤さんは、仲間と一緒にトワル(白い服)に絵を描いています。色んな土地を巡り、多くの人とおしゃべりしながら、電車、アイドルの名前、歌詞など、好きなものを描いてきました。作品に詰まっている、大好きな誰かと過ごした時間の積み重ねが魅力的です。
<例5> 土地との関わりの中で描かれる絵画たち
つくり手:加茂昂さん
レコメンバー:N
推薦文
加茂さんは、広島や水俣、福島などに長期滞在し、描く行為を通して人や土地、過去の出来事を知ろうとするなかで、絵画を立ち上げています。描かれた絵画たちが、土地の人たちや加茂さん自身を支えてくれている気がして、その関係性に惹かれます。
<例6>おばあさんが語り継ぐ民話や歌たち
つくり手:庄司アイさん
レコメンバー:磯崎未菜
推薦文
「何もかも流されたけど、民話は残った」と語るアイさんの身体に保存された物語や歌の数々。彼女の声のなかには、連綿とお話を語り継いできた人びとの声が含まれている気がする。子守唄を歌うことは、自分の母の声をもう一度呼び起こす行為なのかもしれない。
<例7>津波の跡にできた広大な花畑
つくり手:元住民のみなさん
レコメンバー:瀬尾夏美
推薦文
被災した集落全体を弔おうと、地元のおばちゃんたちがつくった。花畑は日に日に広がり、亡くなった人も遠くに暮らす人も旅の人も、みな集える場になった。草はらになった風景に色をつけていてとても美しく、人々の心を癒してくれた。
展示の際には、“やわらかな土から”がヒアリングで聞き取りをしたエピソードが追加されます。
聞き取りしたエピソード
自宅跡地に切り花を手向けに通っていたおばちゃんが、あるとき花が枯れているのを見つけ、このままでは忍びない、ここで花を育てようと話し、賛同した地元の仲間とはじめた。広がり続ける花畑は「陸前高田の応接間」と呼ばれるようになり、目を留めた人たちや支援に訪れる学生たちが迎えられ、日々交流が深められていった。2年半程経つと復興工事が盛んになり、花畑は解体を余儀なくされたが、当時咲いていた花はおばちゃんたちの手で日本各地に分有され、いまもどこかで咲き続けているという。被災後の陸前高田へ移り住み、人びとの暮らしを記述し続けてきた瀬尾さんは、よそ者としての自分の立場に悩んでいたが、この花畑でさまざまな人たちに出会い、話を聞き始めることができたという。
みなさまのご応募、お待ちしております!
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【応募先・お問い合わせ先・ヒアリング会場】
〒980-0804
仙台市青葉区大町2丁目3-22 第五菊水ビル3階
東北リサーチとアートセンター[TRAC]
レコメン堂 係
電話・FAX 022-397-7256(金土日の13:00-18:00対応)
TRAC開室日時 金土日13:00~20:00(日曜日は18:00まで)
ウェブサイト http://trac.smt.jp
アクセス 地下鉄東西線「大町西公園駅」東1出口(徒歩1分)
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主催 やわらかな土から、せんだいメディアテーク(公益財団法人仙台市市民文化事業団)
企画 やわらかな土から