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【レポート】仙台インプログレス「みんなの橋(テンポラリー)」お披露目!

2022年09月09日

アートノードではフランスを拠点に活動するアーティスト・川俣正さんと、長期的なアートプロジェクト「仙台インプログレス」を2017年より進めています。

これまで、宮城野区岡田新浜地域において「みんなの木道」、「みんなの船」そして、今年の4月に完成した「新浜タワー」など、多くの作品を制作してきました。今回は「みんなの橋(テンポラリー)」を制作し、8月7日(日)に行われた新浜町内会主催のイベント「貞山運河の渡し船と新浜フットパス2022」にてお披露目しました。

©KAWAMATA Tadashi

仙台インプログレスの始まりは、「津波で橋が流されて困っている」という新浜地区住民の方々の声を受け、貞山運河を渡る橋の機能を持つ作品として構想された「みんなの橋プロジェクト」でした。今回制作する「みんなの橋(テンポラリー)」は、恒久的なものではありませんが、本来の目的を達成するためのスタディとして、設置されます。

 

 

「みんなの橋(テンポラリー)」は、2つのゴムボートの上に単管と足場を組んだ構造を載せたユニットを5つ繋ぎ合わせたものです。一度解体しても、必要なときにまた設置できるように設計されています。
この構造や運用の方法についても、川俣さんが地元の方たちと意見を出し合いながら、アイデアを練り上げていきました。

 

8月7日のお披露目当日は、晴天に恵まれ、スタッフも含め約100名がイベントに参加しました。
東日本大震災以降、11年ぶりに橋が設置され、新浜地区と貞山運河、海とがつながる機会になりました。
橋だけでなく、みんなの船や和船の曳き船、Eボートなど多くのアクティビティが用意され、多くの人で賑わっていました。

みなさん橋の安定感を確かめたり、橋の真ん中から貞山運河の風景を眺めたりと、おもいおもいに楽しんでいます。
橋を渡り、2019年に制作した「みんなの木道」を歩き、「八大龍王碑」や「愛林碑」などの地域の歴史にゆかりのある石碑をめぐりながら海を目指します。

参加者の方が「昔はよくここに泳ぎに来て、海で遊ぶのを楽しんでいたのを思い出しました」と語ってくれました。

橋が設置されたことによって、昔から海や貞山運河が傍らにあり、長くその恩恵や弊害を被ってきた場所であった新浜地区を再び思い起こす機会になったのではないでしょうか。

今回、「みんなの橋(テンポラリー)」は1日限りでしたが、今後もイベントや必要な時に橋がわたされます。近くでは、10月16日(日)の新浜町内会主催のイベント「貞山運河の渡し船と新浜フットパス2」で再び設置される予定です。

 

 

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