【レポート】TALK 「Making Ways of Making」 Hyun Parke ヒュン・パク
2018年12月05日 (更新:2018年12月5日)
せんだいメディアテークが進めるプロジェクト「アートノード」のTALKシリーズ。
今回のTALKはFabLab SENDAI – FLATが企画。ゲストには、韓国をベースに活動するHyun Parke氏を迎えました。
19歳まで韓国で過ごした後に渡米し、シカゴ美術館附属美術大学を卒業。現在は、デジタルテクノロジーだけではなくアナログな技術をも組み合わせながら、分野に捉われず柔軟に作品制作に取り組んでいます。
トークでは、Hyun氏が現在のような制作スタイルを持つまでの経緯に加えて、主な制作物についてご紹介いただきました。
これまでに印象に残っている出来事のひとつが、とあるイベントで鑑賞者が自由に花瓶のデザインを作成できるツールと、それを出力するための3Dプリンタを展示した際に、完成した作品を観た鑑賞者が購入可能かどうか尋ねてきたというもの。
「デザインは鑑賞者が作り、実物を作る3Dプリンタは自分(Hyun氏)が作ったものであるという状況に対し、デザインの所有権は一体誰にあるのかという疑問が鑑賞者に生まれたのが非常に興味深かった。」とHyun氏は話します。また、この出来事を通して、自分は問題を解決するために物を作っているのではなく、人々にデジタルと物質の間のギャップを感じて欲しいという思いが根底にあるのだと気づいたのだそうです。
トーク終盤には、参加者より「Hyun氏が普段制作をする上で重要視していることは何か?」という質問が。これに対し、「制作を始めたら、一度手を止めて外に見せることが重要だと考えている。そうすることで、それを観た人が新しいアイデアをくれることが多々あるからだ。自分の作品においては、いくらでもブラッシュアップすることができるため、”完成品”は存在しない。だからこそ、制作している物が完璧でなく役に立たないものであっても、良いものを目指していくためには、とにかく外に発信していくことが必要だと考えている。」とHyun氏。
これまでに多様な制作活動に取り組んできたHyun氏のトークを通じて、軽やかにアイデアを生み出し、丁寧に探求をするというメイキングプロセスへの可能性を強く実感しました。
文章:小野寺 志乃(FabLab SENDAI – FLAT)
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TALK 「Making Ways of Making」 Hyun Parke ヒュン・パク
2018年11月24日(土) 10:30 – 12:00
入場無料
会場
FabLab SENDAI – FLAT
仙台市青葉区一番町2-2-8 IKIビル4F-1
ゲスト
Hyun Parke ヒュン ・パク
Minifacture, Alternative Manufacturing Research/創設者
FabLab Seoul/共同創設者
聞き手・通訳
大網 拓真 Oami Takuma
FabLab SENDAI – FLAT/エンジニア