アートノードが運営するプロジェクトをご紹介します。
せんだいメディアテークのコンセプトのひとつに「端末(ターミナル)ではなく節点(ノード)である」という言葉があります。そこからノードを抜き出し、再解釈した「せんだい・アート・ノード・プロジェクト(略称「アートノード」)を2016年からスタートさせました。
アートノードでは、アーティストが、仙台・東北をリサーチし、同時代性のある現代アート作品を制作、さまざまなプロジェクトを展開します。そして、調査、企画、制作、発表までの過程を人々と共有し、鑑賞にとどまらない活動への接点をつくることで、より多くの人が関わり、熱のある「アートの現場」を仙台につくりだしていきます。また、アートを囲み、学び、視点を広げ、考えを深めるTALKやMEETINGなど多彩な機会をもうけます。
2016年度事業 2017年度事業 2018年度事業 2019年度事業 2020年度事業 2021年度事業 2022年度事業 2023年度事業 2024年度事業
結び(目),こぶ,ふくれ/ (劇などの)筋のもつれ,紛糾/ (組織などの)中心点/【植物, 植物学】節(せつ)《茎の枝や葉の生じる所》/【医学】結節/【天文】交点/【数学】結節点《曲線の交わる点》/【物理学】波節《振動体の静止点》/【言語学】節点/【語源】ラテン語「結び目」の意
出典:『新英和中辞典 第6版」研究社(1994)より
アーティスト笹原晃平による、貨幣を介さない交換経済の実践として「永続的な貸し借り」の具現を目標にしたプロジェクト。その仕組みとして、こどもたちが自分の意思でいつでもご飯を食べられる環境を整備し、あわせて飲食店の活性化、地域コミュニティの関わりを拡張を目指します。一連の循環が「どこで破綻するのか」を見定めることも含めて、実践を試みます。
世界的に活躍するアーティスト川俣正氏によるプロジェクト。津波で被災した仙台市沿岸部・新浜地区の貞山運河沿いで、地域住民の話から構想した橋の機能を持った作品「みんなの橋」設置に向けて活動します。同地域で活動する人々との交流と、刻々と変化する沿岸部の状況に呼応しながら、プロジェクトを展開していきます。
「インタビューズーズー」は、コロナ禍におけるさまざまな「声」を拾い、共有し合う場をつくることを目的とした、オンライン配信番組です。 仙台の街中でインタビューを実施。あらゆる年齢や立場、職業の方々を対象に、現在の暮らしや気持ちの変化についてお聞きし、多様な分野で活動するゲストパーソナリティーたちの応答によって、意見や考えが交差する場をつくりだします。
現代アートやその周辺領域で活動されている方をお招きし、自身の制作での経験に基づいた考えをお話しいただくトークイベントです。せんだいメディアテークが、仙台で活動するパートナーとともに開催します。アートは本来的につねに根源的かつ社会的なものであり、多くの学びや経験を与えてくれる機会でもあります。その核となるアーティストの意思や考えに触れることで、より深くアートへの関心を持っていただけたらと考えています。
いわゆる現代アートでは、絵画、彫刻やパフォーマンス、プロジェクト型など、さまざまな形式をもった作品が展開されています。アートノードでも、これから複数のアーティストが仙台で滞在制作をおこなう予定ですが、その中には普段の尺度だけでは価値を測れないものもあるはずです。ミーティングでは、参加アーティストの関心や取り組んでいる課題などを切り口としながら、現在のアートに求められていることやアートノードが求めていくべきことをみなさんとともに探りたいと考えています。
私たちの生活から海に流れ出たプラスチックごみが、いま、世界中の海を漂う「海洋プラスチック」として大きな問題となっています。仙台を拠点として活動するラッパーHUNGER(GAGLE)の言葉(リリック)とともに、海洋プラスチックの現状を市民のみなさんと共有するための展示です。
仙台・東北をベースに地域の歴史、資源、課題などを調べることを通して作品制作するアーティストが活動する拠点を、メディアテークの館外に設け、アーティストが一定期間滞在し、調査、企画、制作する過程を公開します。
「 リサーチ(調べること)自体がおもしろい!」と考える美術家の伊達伸明が、通常は研究や事業の準備段階とされる「リサーチ」の魅力に着目し、さまざまな分野の調査・研究名人を紹介するシリーズ。彼らの特異な眼差しと情熱を通して、街の今を見つめるヒントをさぐります。
アーティストユニットKOSUGE1-16によるプロジェクト。その土地でかつて創造の場をつくった人物をパペット人形として呼び戻すなどのインスタレーションシリーズ「The Playmakers」の仙台版を展開しました。現在、大正時代に誕生した童謡の普及に努めた児童文化運動に着目し、仙台市内でのリサーチをおこないました。
仙台の高校生など若者と共に、わたしたちにとって芸術とは一体何なのかを考え、対話を重ねて、都市のなかでの実践に繋げていくプロジェクト。日々を暮らす仙台の中で、どうすれば芸術の実践が可能になるのか、何を知り、どのような術を身につければよいのか、その試行錯誤のための時間と場所を「ゲージツ学校」として開きます。2016年度は、世界的に活躍する美術家の森村泰昌氏が校長、館長の鷲田清一が教頭、仙台出身の美術家タノタイガ氏が講師を務めました。
その土地で暮らす人々や文化に迫りながら、地元の人には見えていない(見ようとしていない)側面に気づくきっかけを創り出すアート活動をおこなうスー・ハイドゥー氏による「仙台商人プロジェクト」。仙台の人々(商人)と関係を創り出す過程の中で、仙台に生きるそれぞれの人たちがアイデンティティを発見できるような時間を生みだします。コーディネーターは、吉川由美氏が務めます。