【レポート】 TALK 翻訳家・柴田元幸の朗読&トーク 『言葉の中へ』
2018年03月29日 (更新:2018年3月29日)
春分を過ぎた金曜の夜。 柴田さんを待ちわびる人たちで満員の会場に、
本棚の奥からふらっと柴田さんが現れました。
ポール・オースターを特集した『MONKEY』 創刊号の話から始まり、
雑誌の編集方法や号ごとの特集とエピソードなどを紹介しながらトークは進みました。
ときおり挟まれる朗読は、 声が発せられた途端に
別世界へ連れて行かれるような臨場感のあるもので、 マイクを通さない生の声を
皆さん、耳をそばだてて聞いていました。
後半の質疑応答も活発に交わされ、 その中で朗読の時に心がけていることは何かという質問に対して、
「文のすべてをきっちりちゃんと読むのではなく、 訳しているから重要なところと
さらっと読むところがわかる。」と答えていたのが印象的でした。
言葉と一体化しているような朗読は、 翻訳者ならではのものであるということなのでしょう。
ほとんどの方がアンケートを提出してくださり、 感想もたいへん好評でした。
『言葉の中へ』のタイトル通り、 言葉とパフォーマンスのイメージの喚起力を堪能した時間でした。
文章:前野久美子(book cafe 火星の庭、本トーク企画者)
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出演 :柴田元幸(翻訳家)
日時:2018年3月23日(金)
会場:book cafe 火星の庭(仙台市青葉区本町1-14-30-1F)