【レポート】TALK 金川晋吾× 西澤諭志 ふたつの「father」
2017年09月16日 (更新:2017年9月16日)
本企画は、失踪を繰り返す実の父を撮影し続ける、金川晋吾の「father」と、その撮影や父との会話を映像記録した、西澤諭志の「father」を、隣り合う2つのギャラリーで同時に展示・上映し、会期終盤に二人の作家によるトークを行う試みでした。
通常は見ることのない作家の制作の現場と、そこに至る対象との会話や行為のプロセスを、同じタイトルで違う作家が制作する作品との同時開催は、失踪という特殊な事情を扱っているにもかかわらず、家族の関係や、窺い知れない人間の内面についてなど、普遍性のあるテーマも内包していることから、来場者の関心も非常に高かったように思います。
また、トークにおいてもそのことを中心に進行し、さらに、「そこに存在しているものが、存在しているままにしか写らない」という写真の特性と、どのように向き合うかということが終盤に提起されたことによって、展示を見た後やトーク終了後などに、ほとんどの方が熱心に感想を話して帰られるのが印象に残りました。
3時間もの長いトークの後も、約半数の方が会場に残って深夜まで作家との交流会が続き、急遽決定した搬出後の特別上映にまで多くの入場があるなど、非常に充実した一週間で、SARPの「アーティストラン」という自主ギャラリーの特徴を生かした、連携企画を今後も実施して行きたいと思いました。
文章:小岩勉(仙台アーティストランプレイス(SARP) 、本トーク企画者)
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TALK 金川晋吾× 西澤諭志 ふたつの「father」
【トーク】
2017 年8 月26 日(土) 18:00-20:30
聞き手/小岩勉 ( 写真家)
【展示・上映】
2017 年8 月22 日( 火) -8 月27 日( 日)
会場
仙台市青葉区錦町1-12-7 門脇ビル1F