グラビア 小山維子
2025年03月24日
《羽ペンと足元》 2024/パネルに油彩/335×242(mm)
ジャーナル12号では、小山維子さんの作品を掲載しています。
小山の絵は、この世のあらゆるもの、例えば肉体やペン、空気、そして感情や雰囲気に至るまで、私たちを取り巻く全てが、本来分断のない不可分な存在だと伝えます。作品中の「羽ペン」と「足」は、周囲の名状し難い色や筆致との差異を通じて結ばれる関係によって特定のモチーフとして現れます。小山にとって、描くことは日々の生活での連想と思考の痕跡です。それは、さまざまな出来事が起こり流転する時代に、今確かにここにいる私と世界との違和から物事を問うことを始める、重要な態度でもあるはずです。(ジャーナル12号より)
小山維子
1993年宮城県出身。 2015年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。矩形に定められた画面と戯れながら、定まりきらないことについてどのように向き合っていくか思考しながら制作をしている。 最近の展覧会に「遠回りの嗅覚」(古書コンコ堂、東京、2024)、「アスク/モノローグ」(Gallery TURNAROUND、宮城、2024)、「VOCA展2024」(上野の森美術館、東京、2024)など。