【レポート】なぞると、ずれる。草の根で紡ぐ『慰問文集』再々発行プロジェクト
2019年12月12日 (更新:2019年12月12日)
8ミリフィルム、記念写真といった「市井の人びとの記録」のアーカイブづくりに取り組まれている松本篤さんを迎え、目下進行中の『慰問文集』(戦時中の岐阜県で綴られたもの)を再々発行するプロジェクトについてお話を伺いました。
まだ見ぬ本について、その制作プロセスから支えたいという思いから、本屋・曲線を会場とし、仙台でコミュニティ・アーカイブの活動を支えてきた北野央さんが聞き手を務めました。
トークは、普段あまり目にすることのない、戦時中の貴重な写真資料に松本さんが説明を加えながら進みました。松本さんの対象を追う真摯なまなざしと姿勢に、参加者のみなさんもじっと聞き入っていました。
「なぞると、ずれる」の意味がだんだん明確になるとともに、戦時中の記憶・記録、プロジェクトの重要性がしっかりと手渡されていきます。
当時書いたであろう本人が慰問文を読む映像では、苦しいようなあたたかいような、何とも言えない空気が会場を包みました。
トーク時間内では会場からの質問はでませんでしたが、トーク終了後も参加者が会場に残り、松本さんに直接お話する方や、近くに着席した人同士が感想や考えを交わしているようすが伺えました。
後日曲線に来店されたお客さまが、トークの感想をお話していくなど、イベント時だけの盛り上がりではなく、参加されたみなさんのこころにしっかりと響いたトークであったと思います。
また、クラウドファンディングの目標金額をクリアし、さらにストレッチゴールの金額も達成されたとのことで、期日が迫る日程の中でもこのことが共有でき、後押しできたことは大変有意義であったと思います。
アンケートを記入してくださった方々の参加動機として、「会場に興味があった」という回答も多く、これから場所としての力も築いていきたいと思います。
文章・菅原匠子(曲線)
◉トークの様子は下記よりご覧いただけます。
【せんだいメディアテーク・オンライン】TALK なぞると、ずれる。草の根で紡ぐ『慰問文集』の再々発行プロジェクト