【レポート】鈴木一郎太「おりあいフェスタ」
2018年03月30日 (更新:2018年3月30日)
※レポートは 鈴木一郎太さん作成のウェブサイト「ori-ai.com」でもご覧いただけます。
川柳“おりあい”講評 出演:千葉雅俊、西川勝
展示風景
“ちょいたし”くじびき(10:30~17:00)
トーク「“おりあい”はもうちょっと評価されてよくないですか?」 出演:西川勝、鈴木一郎太
参加コーナー 「あなたの周りの“あたりまえ”」
参加コーナー「シルバーネット千葉さんと川柳の会」
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「おりあい」に目を向けてみようと、2018年3月18日に仙台コロナワールドで「おりあいフェスタ」を開催しました。
はじめに、僕たちの周りにはたくさんの「ちがうなぁ」があることを考えました。
「ちがうなぁ」はいろいろなところで起こります。
あの人と自分はちがうなぁ、三毛猫のタマと犬のポチはちがうなぁ、木とコンクリートはちがうなぁ、かつ丼とハンバーグはちがうなぁ、年がちがうなぁ、マークさんとリーさんはちがうなぁ、などいくらでも出てきます。
ちょっと変わったものだと、予定とちがうなぁ、考え方がちがうなぁ、という目に見えないものもあります。
僕たちはそういう「ちがうなぁ」なものに対する時、ちがうという理由でそれらから距離をおくことができます。しかし意外と、それらからはっきりと距離をおいたり、はたまた、きり離すことができなかったりすることがあります。そういうタイプの「ちがうなぁ」と一緒にいる時に「おりあい」は生まれることが多いです。
現在の僕たちの周りに「ちがうなぁ」がたくさんあるように、昔も「ちがうなぁ」がたくさんあったはずです。そして同じように切り離せないことも多かったのも今と同じだったでしょう。そんな中で、切り離さず「おりあい」をつけてきたことで、何か新しいことが起こったりしたんじゃないか、と僕は思います。ちょっと無理やりかもしれませんが、動物の進化も周りの環境に対して生き物がおりあった結果と言えるかもしれません。
僕たち人間も日々なんらかの「ちがうなぁ」と一緒に暮らしています。いつの間にか身に付けた「おりあい」という“わざ”をつかって暮らしています。それは、仕方なくゆずる「だきょう」という消極的なものばかりではなく、「ちがうなぁ」と一緒にいる未来を探る前向きなものも含まれています。
そして、あなたがそうしているように、となりの人も“わざ”をつかっているので、「あれがあの人の『おりあい』なんだね」と見かけることがあります。しかしその一方で、本人は特に意識していないのに、あなたから見たら「おりあい」に見える、というこもあります。
各々がつけている「おりあい」が未来を探っているのだとすれば、自分の周りにある「おりあい」を見つける目線は、世界を豊かにしているのではないかと考えました。。
目に見えなくて、あまりにあたりまえだけれど、「おりあい」はこの世界の豊かさを守ってきた、けっこうすごいものです。そしてそれはだれか特別な人の能力ではなくて、みんなが持っているということが、さらにすごいです。
「おりあいフェスタ」では、僕がみつけた「おりあい」を展示しました。その一部をここにも掲示します。
鈴木一郎太
( 本企画のテキストや作品が掲載された鈴木氏のサイト https://www.ori-ai.com/ より文章引用)
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おりあいフェスタ
~“理解できない”とか言ってる場合じゃない時にはちゃんとみんなやってること~
アーティスト 鈴木一郎太
日時 2018年3月18日(日) 10:30~17:00
宮城県仙台市宮城野区福室字田中前1-53-1