対話の可能性 亜炭香古学 2015 「山のひかり 川のほし」展

亜炭香古学~足元の仙台を掘りおこす

昭和22年(1947)頃仙台市の川内キャンプ(キャンプ・センダイ)

『亜炭は戦後の仙台市内で風呂用の燃料としてごく一般的な燃料であった。燃えると微妙な匂いが漂い、たそがれ時ともなると路地に紫煙がたなびいた。その匂いと煙で夕方になったことを知り、一家だんらんのぬくもりを教えてくれた。』(市史せんだい vol.12より)

昭和22年(1947)頃仙台市の川内キャンプ(キャンプ・センダイ) 所蔵:仙台市歴史民俗資料館

仙台は足元から生活燃料「亜炭」が採れる街でした。また同じ地層からは、地元の工芸特産品「埋木細工」の原木も産出され、一家にひとつはあるともいわれるほど、普及していました。しかし時は流れ、かつて大人達を手伝って風呂の焚きつけをした子供達(今や還暦越え)の記憶からも亜炭は消えつつあり、埋木細工もまた、現在では最後の工人ひとりを残すのみとなってしまいました。地下鉄東西線工事が青葉山の亜炭層を掘り抜いて、奇しくも時代の地層が開かれつつある今、ひとむかし前の仙台のくらしの風景を、当時を知る方々の証言とともに再発見してみたいと思います。

伊達伸明 

またたく記憶の紡ぎ方

「亜炭・埋木」をキーワードに市民が持ち寄った記憶や思い出の品々(生活用品、写真、地図など)を素材に、美術家伊達伸明が、街の心象風景をほのかに浮かび上がらせます。地中に潜む見えない物語(過去)と地上に表出する物語(現在)、足元のカケラがもつ、膨大な時間の積層にこもる人々の暮らしの物語を感じてください。

●埋木製ウクレレ「ウモレレ」(伊達伸明作)初公開!8月8日のみ同建物内1階で展示されます。展覧会関連イベント「地中を想う/地上を語る」で、同日15時より1階で作品演奏があります。

●東北工業大学・緑の楽校 運営委員会代表 松山正將 先生が、会期中の午前中、展示室に在室します。

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企画制作:伊達伸明(美術家)

日時:2015年8月8日(土)~18日(火)10時~19時(初日は11時から、最終日は17時まで) 会場:せんだいメディアテーク6階ギャラリー
入場料:一般300円、豊齢カード・高校生以下・各種手帳お持ちの方100円、未就学児・身体障害者介添1名まで 無料、フリーパス(会期中有効)500円
主催
(公財)仙台市市民文化事業団
協力(敬称略)
赤木宏之(祖父が埋木細工職人・赤木鶴之介)、あぶくま沈木会、伊藤弘、大柏良(映像作家)、大崎市三本木亜炭記念館、川村智美、橘川康子(橘川埋木店)、京都造形芸術大学、鯨歯工芸 千々松商店、小竹孝埋もれ木細工工房、(公財)仙台市公園緑地協会 仙台市青葉の森緑地、後藤和夫(木田鉱業所)、齊藤彰(「工作室」代表/展示空間設計)、椹木野衣(美術評論家)、庄子晃子(東北工業大学名誉教授)、鈴木恵美子(若瀬炭鉱)、仙台市博物館、仙台・杜の都のクラフトフェア実行委員会(東北工業大学一番町ロビー/南町通りオープンギャラリーくろすろーど)、伊達宗行(大條伊達家)、地域探検隊―TTT―、千葉毅(岩倉炭鉱)、筑波大学附属図書館、東北工業大学・緑の楽校 運営委員会、東北大学植物園、特定非営利活動法人 都市デザインワークス、中山啓(中山炭鉱/元全国亜炭協会理事)、舟形町教育委員会、舟形町立歴史民俗資料館、古内一吐(俳人)、松浦丹次郎(川埋木研究者・あぶくま沈木会)、三原征郎(複眼の郷土考察家)、村上栄一(照越亜炭シャベル会)、村上正博、八木山市民センター、山本金一郎(木友炭鉱)、若生克雄(地学団体研究会仙台支部)、鷲田清一(哲学者/せんだいメディアテーク館長)、渡邊慎也(地域メディア史研究家)、渡邉武海(デザイナー/展示空間設計)

【チラシ掲載内容訂正のご案内】 協力者である赤木宏之氏の御祖父様の氏名表記に誤りがありました。謹んでお詫び申し上げますとともに、下記のとおり訂正いたします。 誤)赤木鶴之介 正)赤木鶴之助

助成
(一財)地域創造、アサヒグループロゴ(公財)アサヒグループ芸術文化財団、(公財)朝日新聞文化財団、(公財)全国税理士共栄会文化財団、(公財)福武財団
協賛
京都造形芸術大学

伊達 伸明(だて のぶあき)略歴

1964年兵庫県生まれ、大阪在住。1991年京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工専攻修了。取り壊される建物の人肌こもる部材を用いてウクレレを制作する「建築物ウクレレ化保存計画」主宰。2000年から現在まで寺院、学校、一般住宅など65件をウクレレ化。

展覧会

水戸芸術館(2002年)、兵庫県立美術館(2005年)、国立民族学博物館(2005年)、大阪市近代美術館心斎橋展示室(2006年)、大阪歴史博物館(2011年)、アルコミュージアム(ソウル/2011年)。またダンサー砂連尾理が行う「とつとつダンス」(舞鶴赤れんがパーク/2010年,2014年)でウクレレ演奏を担当。

企画構成・その他

「未来への素振り」(小山田徹との共同展示/京都芸術センター/2010年)「池上遊覧鉄道」(岡田毅志との共同制作/総社市池上邸/2011年)「一弦さん」(「楽器は語る」展示関連イベント/国立歴史民俗博物館/2012年)「阪大宿舎おみおくりプロジェクト」(大阪大学豊中キャンパス内/2014年)、「おしえて!あの日の市民会館」(豊中市立市民ギャラリー/2014年)、「豊中市立市民会館 おみおくり展」(豊中市立市民ギャラリー/2014年)、「待兼山少年」(大阪大学総合学術博物館/2015年)、アートプロジェクト「亜炭香古学」(市内各所/2012~2015年)ほか

亜炭香報活動年表2014亜炭香報活動年表2013 亜炭香報 亜炭香報活動年表

亜炭香古学2015 関連イベント

街歩き 1961年の青葉山を歩く

1961年の航空写真を片手に、亜炭鉱山だった青葉山の生活風景を思い描きながら古道を歩く(*終了)

案内人
伊達伸明、齊藤彰(「工作室」代表)
日程
5月4日(月・祝)13時~17時
主催
(公財)仙台市市民文化事業団

ワークショップ 親子で楽しむこどもBONSAI・小さな杜の都をつくろう

埋木と市内で採集されたケヤキの発芽種子で手のひらサイズの盆栽をつくる

日程
7月29日(水)10時~11時45分
会場
グリーンハウス勾当台
対象
市内の小学生とその保護者
無料・要事前申込(主催者あて。7月7日(火)9時から電話受付開始、先着10組)
主催
(公財)仙台市公園緑地協会 仙台市青葉の森緑地(022-263-2101)

トーク&パフォーマンス 地中を想う/地上を語る

(1) 亜炭家族 春の一日

紙芝居と亜炭小咄
 村上栄一さん(照越炭鉱シャベル会)

(2) 嗚呼、なんたる川埋木! ※埋木製ウクレレ『ウモレレ』作品演奏あり

松浦丹次郎さん(川埋木研究者、あぶくま沈木会)と伊達伸明さんの対談

日程
8月8日(土)14時~15時30分
会場
せんだいメディアテーク 1階オープンスクエア
無料・申込不要・先着160席
主催
(公財)仙台市市民文化事業団

トーク 鷲田清一とともに考える4 「界面活性力?/見るべきものを見ずに、見ないでいいものを見る」

鷲田清一(哲学者・せんだいメディアテーク館長)さんと伊達伸明さんの対談

日程
8月8日(土)16時~18時
会場
せんだいメディアテーク 1階オープンスクエア
無料・申込不要・先着160席
主催
せんだいメディアテーク(022-713-4483)

講座 亜炭香古大学

京都造形芸術大学学生を対象に行われる講座。地域の風土や記憶に関わる伝達、表現のあり方についての授業。ギャラリー外での実地演習あり。 (*受付終了、一部の授業は一般参加可)

講師
上村博(京都造形芸術大学)、伊達伸明、渡邉武海(デザイナー)、薄井真矢((公財)仙台市市民文化事業団)
日程 *一般参加可の授業
【レクチャー】8月10日(月)15時~16時30分 作家による展覧会説明と質疑応答
【ゼミ発表】8月12日(水)16時~17時30分 仙台市街の古層フィールドワーク発表と講評
会場
せんだいメディアテーク 6階ギャラリー
無料・申込不要・直接会場へ
主催
京都造形芸術大学(075-791-9124)

講座 東北工業大学公開講座【緑の楽校】2015夏期「楽習教室」

地域資源としての「仙台の歴史や伝説」の紹介(郷土史家、三原良吉の著書「広瀬川の歴史と伝説」、「仙台伝説集」、「根岸橋とその両岸の歴史」から)。また「元仙台愛宕下水力発電所の残存導水トンネル」などの関連地域資源のご紹介。

講師
松山正將先生(東北工業大学名誉教授)
日程
8月21日(金) 9時30分~12時30分 (受付9時~)
会場
東北工業大学 長町キャンパス 4号館2階 R421教室
申込
要事前申込、はがきに氏名と電話番号をご記入のうえ8月17日(月)必着、主催者まで。
主催
東北工業大学・緑の楽校(〒982-8577 仙台市太白区八木山香澄町35-1 教務学生課022-305-3160)

展覧会 「舟形の亜炭パネル写真展」

山形県舟形町の亜炭鉱山をテーマにした展覧会

日程
9月上旬~11月中旬 詳細は直接お問合せ下さい
会場
舟形町立歴史民俗資料館
入場料
大人110円、学生(高校生以上)60円、小人(小中学生)40円、就学前無料
主催
舟形町教育委員会舟形町立歴史民俗資料館
問合
舟形町中央公民館(0233-32-2246)、舟形町立歴史民俗資料館(0233-32-3495)

ワークショップ 埋木みがき隊 @ 仙台・杜の都のクラフトフェア2015

約400万年前の木の化石、埋木に触れる、磨く。磨いた埋木小片のお土産あり。 会場には鈴木綾乃さん(小竹孝埋もれ木細工工房)がいらっしゃいます。 ※小竹さんもちょこっと来場予定

日程
10月2日(金)~3日(土)11時~16時
会場
サンモール一番町商店街アーケード
無料・申込不要・直接会場へ
主催
(公財)仙台市市民文化事業団
協力
仙台・杜の都のクラフトフェア実行委員会、小竹孝埋もれ木細工工房

※【仙台・杜の都のクラフトフェア2015】

プロあるいはプロを目指す作家さんに会える!
開催時間 10月2日(金)11時~19時、10月3日(土)10時~17時
クラフトフェア全体についての問合先南町通りオープンギャラリーくろすろーど(022-265-1487/9月末まで)


講座 やぎやまシニア大学 「八木山の地形の生いたち~その地下を探る」

若生克雄先生(地学団体研究会)が、亜炭や化石など、地学の視点からみた八木山の“ 面白いもの ”や、八木山の今・むかしの風景をご紹介します。 (*受付終了)

日程
10月15日(木)
主催・会場
八木山市民センター(022-228-1190)
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街歩き 複眼で見る

複眼でみる・歩く達人、三原征郎さんと、風景の中に見落としている先人の記憶のカケラを見て歩きます。

A.向山の痕跡

見どころ:鹿落坂周辺の歴史、とっておきの絶景と黒沼炭鉱跡をゆっくり堪能します

日程
11月29日(日)13時~15時30分
会場
向山一丁目周辺
定員
健脚の方20名
参加料
300円(野外保険料込み)
主催
(公財)仙台市市民文化事業団
申込
11月12日(木)必着までに下欄 ★印の「申込方法」のとおり、お申込下さい。応募多数の場合抽選。応募者全員への返信は11月18日(水)頃です。

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B.追廻の痕跡

広瀬川沿いにみられる石垣や千代炭鉱跡などじっくり堪能します

日程
12月12日(土)13時~15時30分
会場
追廻周辺(地下鉄東西線国際センター駅前集合)
定員
健脚の方20名
参加料
300円(野外保険料込み)
主催
(公財)仙台市市民文化事業団
申込
11月24日(火)必着までに下欄 ★印の「申込方法」のとおり、お申込下さい。応募多数の場合抽選。応募者全員への返信は11月30日(月)頃です。

★参加申込方法

電話・はがき・FAX・メールに、「参加希望の催し名(向山編か追廻編か)」・住所・氏名・電話番号・FAXまたはメールアドレス・年齢をご記入の上、各催しの締切日までに、「仙台市市民文化事業団」宛に申し込みして下さい。


お問い合わせ・応募先

(公財)仙台市市民文化事業団 事業課
〒981-0904 仙台市青葉区旭ヶ丘3-27-5
電話022-301-7405(平日9時~17時) FAX 022-727-1874
展覧会会場直通(8月8日~18日10時~19時のみ 080-1834-4382)
info@sendaicf.jp
atan2015

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