アートノードとは

「優れたアーティストのユニークな視点と仕事」と、
地域の「人材、資源、課題」をつなぐ

せんだいメディアテークのコンセプトのひとつに「端末(ターミナル)ではなく節点(ノード)である」という言葉があります。そこからノードを抜き出し、再解釈した「せんだい・アート・ノード・プロジェクト(略称「アートノード」)を2016年からスタートさせました。
アートノードでは、アーティストが、仙台・東北をリサーチし、同時代性のある現代アート作品を制作、さまざまなプロジェクトを展開します。そして、調査、企画、制作、発表までの過程を人々と共有し、鑑賞にとどまらない活動への接点をつくることで、より多くの人が関わり、熱のある「アートの現場」を仙台につくりだしていきます。また、アートを囲み、学び、視点を広げ、考えを深めるTALKやMEETINGなど多彩な機会をもうけます。

nodeの意味

結び(目),こぶ,ふくれ/ (劇などの)筋のもつれ,紛糾/ (組織などの)中心点/【植物, 植物学】節(せつ)《茎の枝や葉の生じる所》/【医学】結節/【天文】交点/【数学】結節点《曲線の交わる点》/【物理学】波節《振動体の静止点》/【言語学】節点/【語源】ラテン語「結び目」の意

出典:『新英和中辞典 第6版」研究社(1994)より

  • 仙台在住の漫画家いがらしみきおさんに、本プロジェクトのコンセプトを4コマ漫画であらわしていただきました。

    いがらしみきお

    1955年宮城県加美町生まれ。仙台市在住。漫画家。工業高校を中退した後、工場や印刷所勤務を経て24歳でデビュー。過激なギャグやシュールな表現の中に、人間味や不条理、生と死などのテーマをにじませる独特の作風を持つ。代表作に『ぼのぼの』(竹書房/第12回講談社漫画賞受賞)、『忍ペンまん丸』(スクウェア・エニックス/第43回小学館漫画賞受賞)、『かむろば村へ』(小学館・ビックコミック)を原作にした映画『ジヌよさらば かむろば村へ』は2015年4月より全国で公開。最新作『誰でもないところからの眺め』(太田出版)で第45回漫画家協会賞優秀賞を受賞。

参加アーティスト

川俣正、KOSUGE1-16、スー・ハイドゥ、鈴木一郎太、伊達伸明、タノタイガ、森村泰昌 ほか

※「アートノード」は「せんだい・アート・ノード・プロジェクト」の略称です。

 
プロジェクト紹介
  • プロジェクト1

    川俣正プロジェクト (仮)

    世界的に活躍するアーティスト川俣正氏によるプロジェクト。その作品制作に向けたリサーチを開始しました。これまで世界各国で取り組んできた数々のプロジェクトの実績を活かし、仙台ならではの展開を目指して取り組んでいきます。ご期待ください。(2016年7月27日 仙台市営地下鉄「国際センター駅」にて、川俣氏を招いたトークを開催しました。(詳細はこちら)

    • 川俣正
    • 川俣 正(かわまた・ただし)

      1953年北海道三笠市生まれ。1982年第40回ヴェネツィア・ビエンナーレ、1987年ドクメンタ8ほか出品多数。2005年横浜トリエンナーレ総合ディレクター。1999年東京藝術大学先端芸術表現科主任教授に着任、現在はフランス、パリ国立高等芸術学院の教授。既存の美術表現の枠組みを超えていく試みを実践してきた。建築や都市計画、歴史学や社会学、日常のコミュニケーション、あるいは医療にまで及ぶ分野とかかわり、海外でもっともよく知られている日本人アーティストのひとり。

      http://www.tk-onthetable.com/

  • 「ガンダメゾン」パリ・ベルサイユ建築大学(2008)

 
  • プロジェクト2

    こどもアートひろば「アッペトッペ=オガル・カタカナシ記念公園」

    アーティストユニットKOSUGE1-16によるプロジェクト。その土地でかつて創造の場をつくった人物をパペット人形として呼び戻すなどのインスタレーションシリーズ「The Playmakers」の仙台版を展開します。現在、大正時代に誕生した童謡の普及に努めた児童文化運動に着目し、仙台市内でのリサーチをおこなっています。2016年12月15日(木)~26日(月)の期間、地下鉄東西線「国際センター」駅2階を会場にイベントや展示の広場をつくります。
    https://artnode.smt.jp/katakanashi.html

    • KOSUGE1-16
    • KOSUGE1-16 (こすげいちのじゅうろく)

      2001年に車田智志乃(くるまだ・ちしの)、土谷享 (つちや・たかし)のアー ティストユニットとして活 動開始。あいちトリエンナーレ2010、2010年「こどものにわ」(東京都現代美術館)など、出展多数。 せんだいメディアテークでは2006年に体験型アートイベント「青葉縁日」へ参加したほか、2008年「ART仙台場所」での〈どんどこ!巨大紙相撲〉が、現在も市内各地で行われている。

      http://kosuge1-16.com

  • 「The Playmakers」mac birmingham(2012)

 
  • プロジェクト3

    仙台商人プロジェクト

    その土地で暮らす人々や文化に迫りながら、地元の人には見えていない(見ようとしていない)側面に気づくきっかけを創り出すアート活動をおこなうスー・ハイドゥ氏によるプロジェクト。
    「仙台商人プロジェクト」では、仙台の人々(商人)と関係を創り出す過程の中で、断層のずれのようなものをつくり出し、仙台に生きるそれぞれの人たちがアイデンティティを発見できるような時間を生みだします。コーディネーターに吉川由美氏を招き、展開していきます。

    • スー・ハイドゥー
    • スー・ハイドゥー(Sue Hajdu)

      メルボルン生まれ。2001年からベトナム拠点、現在ニャチャン市居住。2005年に アーティスト・イニシアティブa little blah blahを立ち上げ、様々なプログラムを6年間実施。シドニー大学にて1991年日本学の学士号、2001年同大学院にて視覚芸術の修士号を取得。コミュニティーや人との繋がりに挑戦するスタイルのプロジェクトを行っている。代表作に、福島キャベツ(ベトナム、2012年)、デコトラヨイサー!(八戸ポータルミュージアムはっち、八戸市、2011年)、箱って?(一番町四丁目商店街、仙台、2008年)、Wishing You Great Pleasure (私的スペースでのプログラムと展示、バオロック市、2007年)、MAGMA | we're not counting sheep, Galerie Quynhと公共スペース、ホーチミン市、2006年)がある。キュレーター、写真家と文筆家としても活躍。

      http://www.suehajdu.com

    • 吉川由美
    • 吉川由美(よしかわ・ゆみ)

      アートプロデューサー・演出家。八戸ポータルミュージアムはっち文化創造事業アドバイザー。宮城県大河原町のえずこホールで、開館以来コミュニティ・プログラムづくりに約10年取り組み、えずこホールは2007年にJAFRAアワードを受賞。仙台市卸町、宮城県大崎市鳴子温泉郷などでプロジェクトを展開。2010年、宮城県南三陸町で住民との協働をスタートさせるが、東日本大震災で町が流失。復興に向けたプロジェクト「きりこプロジェクト」を展開。この活動で2013年第6回ティファニー財団賞受賞。TEDxTohoku 2013スピーカー。

 
  • プロジェクト4

    東北リサーチとアートセンター(TRAC / Tohoku Research-based Art Center)

    仙台・東北をベースに地域の歴史、資源、課題などを調べることを通して作品制作するアーティストが活動する拠点を、メディアテークの館外に設けます。アーティストは一定期間滞在し、調査、企画、制作する過程を公開します。今年度は、アーティスト鈴木一郎太氏のリサーチを展開予定。またセンター運営のアドバイザーに、美術家伊達伸明氏を迎えます。

    • 鈴木一郎太
    • 鈴木一郎太(すずき・いちろうた)

      株式会社大と小とレフ取締役。静岡県浜松市生まれ。イギリスで10年ほどアーティストとして活動後、NPO法人クリエイティブサポートレッツにて、アーティストの深澤孝史と起草した「たけし文化センター」事業の様々な分野と連携した企画を主に担当。2013年、建築設計から企画、必要に応じてハードとソフトを連動させて扱う会社を、建築家の大東翼とともに設立。コミュニティスペース運営、建築設計、研究事業企画マネジメント、展覧会やトークイベントの企画運営、演劇作品制作、冊子の編集などを行ってきた。現在、静岡県のオリンピック・パラリンピック文化プログラムのコーディネーターも務める。
      今秋、設計から事業計画やコンセプト形成まで関わったゲストハウス付の民間文化施設「犀の角」が長野県上田市にオープン予定。

      www.facebook.com/LSRef/

    • 伊達伸明
    • 伊達伸明(だて・のぶあき)

      美術家、「建築物ウクレレ化保存計画」主宰。1964年兵庫県生まれ、大阪育ち。京都市立芸術大学美術学部大学院工芸科修了。2000年より取り壊される建物から生活痕の残る材料を用いてウクレレを制作し、肌合いにこもる記憶を楽器として元の住人に手渡していく長期プロジェクト「建築物ウクレレ化保存計画」を始め、現在までに学校、寺、劇場、一般住宅など60以上の建物をウクレレ化している。
      主な展示に、2012年に国立歴史民俗博物館にて開催された「楽器は語る?紀州藩主徳川治宝と君子の楽?」関連イベント 展示「創作楽弓による発音体験『一弦さん』」などがある。

 
  • リレーション・プログラム1

    青少年のための生きる技術としてのゲージツ学校

    仙台の高校生など若者と共に、わたしたちにとって芸術とは一体何なのかを考え、対話を重ねて、都市のなかでの実践に繋げていくプロジェクト。日々を暮らす仙台の中で、どうすれば芸術の実践が可能になるのか、何を知り、どのような術を身につければよいのか、その試行錯誤のための時間と場所を「ゲージツ学校」として開きます。今年度は、世界的に活躍する美術家の森村泰昌氏が校長、館長の鷲田清一が教頭、仙台出身の美術家タノタイガ氏が講師を務めました。

    http://www.smt.jp/projects/ge-jitsu/

    • 森村泰昌
    • 森村泰昌(もりむら・やすまさ)

      1951年大阪市生まれ。大阪市在住。美術家。京都市立芸術大学美術学部卒業、専攻科修了。1985年、ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を制作。以降、今日に至るまで、一貫して「自画像的作品」をテーマに作品を作り続ける。1989年、ベニスビエンナーレ/アペルト88に選出され、以降国内外で展覧会を開催する。2014年ヨコハマトリエンナーレにおいて芸術監督を務め、2016年国立国際美術館にて個展「自画像の美術史--『私』と『わたし』が出会うとき」が開催された。近著に「まねぶ美術史」「美術、応答せよ」「自画像の告白」など。2007年度、芸術選奨文部科学大臣賞、2011年、第52回毎日芸術賞、日本写真協会賞、2011年秋、紫綬褒章を受章。

    • 鷲田清一
    • 鷲田清一(わしだ・きよかず)

      1949年生まれ。哲学者。せんだいメディアテーク館長。京都市立芸術大学学長。京都大学文学部卒業、同大学院修了。大阪大学総長を経て、現職。哲学の視点から、身体、他者、言葉、教育、アート、ケアなどを論じるとともに、さまざまな社会・文化批評をおこなう。おもな著書に『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫、1996年)、『「聴く」ことの力:臨床哲学試論』(ちくま学芸文庫、2015年)、『しんがりの思想―反リーダーシップ論―』(角川新書、2015年)、『素手のふるまい』(朝日新聞出版、2016年)がある。現在「折々のことば」(朝日新聞)連載中。

    • タノタイガ
    • タノタイガ

      東京生まれ、仙台育ち。美術家。東京造形大学造形学部卒業、東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科芸術文化専攻彫刻コース修士課程終了。立体造形、映像、パフォーマンス等、多様な表現手法によって、社会制度やルールや法律などの記号性と媒体性を誇張した風刺的表現をおこなう。主な展覧会に、2006年「コネクティング・ワールド」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]/東京)、2007年「アートみやぎ2007」(宮城県美術館)、2009年「T+ANONYMOUS(タノニマス)」(個展、現代美術製作所/東京)、2009年「現代美術も楽勝よ」(水戸芸術館/水戸)、2011年「タノンティア資料室」(個展、せんだいメディアテーク)、2012年「水と土の芸術祭2012」(新潟)など多数。

      http://www.taigart.com

 
 
  • リレーション・プログラム3

    MEETING 自由参加型公開会議

    いわゆる現代アートでは、絵画、彫刻やパフォーマンス、プロジェクト型など、さまざまな形式をもった作品が展開されています。アートノードでも、これから複数のアーティストが仙台で滞在制作をおこなう予定ですが、その中には普段の尺度だけでは価値を測れないものもあるはずです。ミーティングでは、参加アーティストの関心や取り組んでいる課題などを切り口としながら、現在のアートに求められていることやアートノードが求めていくべきことをみなさんとともに探りたいと考えています。

    2016年10月2日(日)開催
    アートノード・ミーティング01 てつがくカフェ「アートは心地よいもの?」

 
  • リレーション・プログラム4

    JOURNAL

    アートノードの動きを広く伝えるとともに、アートが東北の人・資源・課題と接続するためのアクティビティについて、ウェブと紙版で話題提供を行います。今年度、ウェブは10月中旬より本格始動、紙版は2号発行の予定です。

    http://journal.smt.jp/